東京弁は感染るんです
以前にも「今日の症状」でも書いたように、関西人は「七」を「ひち」と発音し、大阪ことば事典でも『ヒチ【七】(名) しちの段訛。』と書かれているし、MS IMEで「ひち」と入力しても「七」とは変換されないので、「ひち」は関西弁だと思っていたのだが、昨日厚木で「二七の市」の開催を知らせる幟を見つけた。 二七の市にわざわざ(にひちいち)とかなが振ってある。 敷藁を「ひきわら」と書かれている看板の例を以前紹介したが、関東でも「しち」は発音しにくいのだろうか( 関西人なら「しち」とかなを振っても「ひち」と発音すると思うが )、それともこれも関西弁の影響だろうか。 江戸時代よりの市が復活、とかかれているが地下道で開催とは風情が無い。
前回の「今日の症状」で「方言の読本」という本を図書館で借りたと書いたが、なかなか面白いので中古品をAmazon.comから290円で購入した。 これで当分「今日の症状」のネタには困らないと思う。 その「方言の読本」に載っている項目から今回は「眉毛」について。 私の母は眉毛のことを「マヒゲ」いう。 子どもの頃、「マユゲ」は「ヒゲ」ではないので「マヒゲ」という言い方は間違っていると思い、周りのみんなも「マユゲ」と言っていたので私も「マユゲ」と言っていた。 方言地図を見て神戸から西では「マヒゲ」というのだと分かったが、その当時からすでに「マヒゲ」は東京弁の影響からか「マユゲ」に変わっていたのだ。 正しい神戸弁を喋りたいのだが、今更「マヒゲ」とは言いにくい。 黒い三角形が「マヒゲ」という地域。白丸が付いている京都・大阪では「マヒゲ」とは言わず「マイゲ」というようだ。
庭の梅の木に実が一つだけできている。 この梅は八重咲きなので、本来は実ができないはずだが、毎年数個実をつける。 梅の実を見ていて、踝(くるぶし)のことを叔母がウメボシと言っていたことをふと思い出した。 遥か40年以上昔のことである。 食べるウメボシについて話題になることはあっても踝のウメボシが日常会話で使われることはなく、40数年前に叔母の口から一度聞いたきりだったので、ウメボシが関西弁なのかそれとも叔母が創作した言葉なのかわからなかった。 タイミングよく、図書館で借りていた「方言の読本」に「踝」について書いてあった。 この本に載っている方言地図によると、確かに神戸や京都・大阪では踝のことをウメボシと言うようである。 ただし、この方言地図は40年以上前の調査によるものなので、今現在関西でウメボシが通じるかどうかはわからない。 真ん中のきたない踝の写真で茶色く見えるのは猫に襲われたときの傷跡。 右の方言マップで、神戸・大阪・京都付近のテトラポット状の記号が踝をウメボシと呼ぶ地域。 |