東京弁は感染るんです
八ヶ岳に登った。
美濃戸口から赤岳鉱泉-硫黄岳-硫黄山荘一泊-横岳-赤岳-中岳-行者小屋をまわって美濃戸口に戻るコースである。 泊まった山小屋の隣りの部屋からは関西弁が聞こえる。食堂で隣り合わせたグループも関西弁を話している。 下山するまでに何組もの関西人グループと合った。共通語とアクセントが違うので交わす挨拶の一言で関西人だとわかるのだ。 最近、街中で中国語をよく聞く。電車の中でビジネスマンどうしが中国語で会話をしている光景を見ることもある。これも中国の経済発展が著しいことの一端を現しているのだろう。 関西弁は街中だけでなく3000m級の山の中でもよく耳にするのだが、残念ながら関西経済は凋落の一途である。
伊丹空港の売店に自由軒のカレーが置いてあった。
作家織田作之助が愛した90年の歴史がある名物カレーなのだそうだ。 ご飯にルーがかかっている普通のカレーとは違って両方を混ぜ込んである。売店にある物は化粧箱に入ったお土産仕様である。 この箱に、関西弁基礎講座で紹介したダイヤモンドの歌が載っていた。 元歌はどちらなのだろうか。 ♪お父ちゃん、ダイヤモンド買うてんか。ダイヤモンドは高い。高いは通天閣。通天閣はこわい。 こわいはオコワ。オコワはうまい。うまいは本町自由軒。 買おうかどうしようか迷って、結局買わなかったのだが、今度大阪に行ったときには織田作文学発祥の店とやらで食べてみたいと思う。
正確に言うと横浜弁なのかもしれないが、多くの関西人が嫌う東京弁に「〜じゃん」がある。
全国的に「〜じゃん」は広まっているらしいが、「〜やん」を使う関西弁圏だけには波及していないようだ。 私の場合は東京弁感染も末期に近いので、普通に「〜じゃん」を使ったりするのだが、感染末期の私でもどうも気になる東京弁があるのだ。「〜みたく」と「歩って」である。 共通語ではもちろん「〜みたいに」と「歩いて」である。 東京の方言なのかもしれないが、何度聞いても私には耳障りで日本語として間違っているように感じてしまう。 もし「東京人みたく、まっつぐ歩って・・・」などと言うようになってしまったらもう回復の見込みはない。
最近は電車の中でよく関西弁の会話を耳にする。
ある本によると関西弁だから目立つのではなく、そもそも関西人の声自体が大きいのだそうだ。 これは大阪が商人の町なので、小さな声ではお客を呼び込めないし、小さな声でひそひそ話すと相手に不信感を与えるので大阪人は自然と声が大きくなって、それが子々孫々遺伝子として受け継がれているというのだ。 そんなことはないだろうが、確かに東京人は小さい声で話す人が多い。 何を言っているのか聞き取れなく、かといって聞き返すのも面倒なので適当に相槌を打ってしまうこともある。 神戸にいた頃はそんなことはなかったと思うのだが、よく考えてみると老化現象で単に耳が遠くなってきただけかも。
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