東京弁は感染るんです
「方言は絶滅するのか (自分のことばを失った日本人)」(真田信治著 PHP新書)という本に書いてあったのだが、最近の関西の学生は卒業論文の略称ソツロンや生活協同組合の略称セーキョーなど多くの四拍語を発音するときニ拍目を上げて発音するのだそうである。
私が学生の頃(20年以上昔)は四拍目を上げて発音していたのだが、学生に言わせればこれは「オヤジ風」であって、ニ拍目を上げて発音するのが「若者っぽい」形なのだそうだ。
東京弁と異なるアクセントを使うことで関西の若者が関西人としてのアイデンティティを主張しているようで頼もしいような気もする。実際に関西弁の学生が話しているのを聞いたことはないのだが、実際にニ拍目を上げて「ソツロン」と言われると耳障りに聞こえるかもしれないと「オヤジ」は思うのである。
関西弁基礎講座第8講で神戸で歌われていたわらべ歌「ダイヤモンド買(こ)うてんか」を紹介したが、「兵庫のわらべ歌」(日本わらべ歌全集18上 柳原出版 昭和62年7月発行)という本に この歌の歌詞が最後まで載っている見つけた。(「ここ」をクリック)昭和36年に神戸市長田区の高取台中学の生徒から採譜したと書かれている。
私が覚えている歌とは歌詞もメロディも少々異なっているのだが、向こうの方が元祖という感じがする。
他にもこの本には遥か昔に聞いたような歌が載っていて、タイムスリップしたような気分になった。
しかし、世の中、調べれば何でも解るもんである。
2001/11/20 大阪の番組
毎月最終土曜日の午後にNHKラジオで「関西発・土曜ホットタイム」という大阪からの番組をやっている。
普段ラジオを聞く習慣がないので、車でカーラジオをかけているときぐらいしか聞かないのだが、DJがきれいな大阪弁で関西の文化などを紹介しているのを聞くと気持ちが良いし、何よりもNHKのアナウンサーが大阪弁で放送しているというのがうれしい。
また土曜日の昼にNHKで笑福亭仁鶴が「生活笑百科」をやっているが、これもいかにも大阪らしい番組で毎週楽しみにしている。
どちらも、東京弁感染の進行を防ぐにはもってこいの番組である。
普段テレビで東京式アクセントの言葉を聞きなれているせいで、大抵の関西人は話そうと思えば東京弁で話すことができるだろう。しかし東京弁で話していると、本当の自分が話しているのではなくて、何か芝居でも演じているような気分になってしまうのではないだろうか。
関西弁の政治家は結構多い。自民党の塩川財務大臣や共産党の市田書記局長の関西弁は上品な感じがする。社民党の辻元政策審議会長は歯切れのいい関西弁を話す政治家の筆頭だろう。堺屋前経済企画庁長官の関西弁も、話の中身を別にすれば聞いていて気持ちのよい関西弁である。
しかし、彼らが東京弁を使うようになったときは十分注意しなければならない。きっと芝居をしているに違いないから。
10/30の戯言でMSN Serchに登録されていることを書いたが、Excite JapanとODN SerchとSonetにも登録されていることがわかった。
Excite JapanのほうはMSNとほぼ同じジャンルの 教育と学校> 人文科学&芸術> 言語&言語学> 方言>近畿 に分類されていたが、ODNとSonetでは 生活と余暇> 家族とくらし> 田舎暮らし> 方言> 近畿 に分類されている。 暇人でないとこんなWebサイトは作らないから、生活と余暇というのは解る。家族とくらしもまあ良いだろう。 しかし田舎暮らし・方言と書かれるといかにも東京中心主義の臭いがして、東京弁を話す者以外はみんな田舎者と言われているようで気に入らない。大半の関西人は東京弁を話す者が田舎者で関西弁こそが標準語だと思っているのだから。
ここにでてくるののちゃんのお母さんの関西弁は完璧な関西弁であるが、おばあさんの関西弁が気になる。イントネーションがおかしいのである。いかにも東京人が無理をして関西弁を喋っているように聞こえて気持ちが悪いのだが、東京の人にはこの違いがわからないらしい。
関西出身の芸能人で完璧な東京弁を喋る人は多いが、その逆はちょっと思いつかない。
関西人はテレビでいつでも東京弁を聞けるが、東京で関西弁を聞く機会はそれほど多くない。最近はテレビでも多くの関西人が出ているので、これからは完璧な関西弁を話せる東京人が出てくるかもしれない。
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