東京弁は感染るんです
関西には街道と名前のつく道は少なく、街道というと私には江戸時代の旅籠が並んでいるような昔の道というイメージがあるのだが、他の関西人が同じように感じているのかどうかはわからない。 東京には街道と名の付く道がやたらに多いのだが、これには最初戸惑った。 なかでも「鎌倉街道」の表示はあちこちで見かけるのだが、あっちの「鎌倉街道」とこっちの「鎌倉街道」がどういう関係にあるのかがよくわからない。 鎌倉街道というのは鎌倉から関東諸国を通って地方を結ぶ交通路で、関東地方だけでも「上道」「中道」「下道」と呼ばれる三本の道があるのだそうだ。 鎌倉街道とはいっても一つの道ではないのだ。 昔はそれでよかったのかも知れないが、交通が発達している現在、違う道に同じ名前をつけるのはやめてもらいたい。 「いざ鎌倉!」車で行くと迷ってしまう。
Blogにも書いたが、昨日行った「さがみはら若手落語家選手権」で笑福亭里光が「米揚げ笊(いかき)」を演じていた。 堂島へ笊(いかき、ざるのこと)を売りに行く男の話で、売り声は「大まめ、中まめ、小まめに米を揚げる米揚げいかき・・・」。 笊(いかき)自体が関西でも死語になっているが、この売り声の「大まめ、中まめ」の「まめ」の意味もわからない。 「米朝ばなし」(リンク先は文庫本だが、私の持っている本は毎日新聞社発行のハードカバー)という本によると、「まめ」とは「間目」で、「大まめ」とは間の目の粗いもの、「小まめ」は目をつめて編んだもの、米揚げいかきとは米粒がこぼれないほど目のつんだざるのことで、米揚げいかきは普通のざるよりも高価だったらしい。 プラスチックやステンレスのざるでは目の大きさと値段とは多分関係は無いはず。 大阪ことば事典によれば「いかき」とは「飯掻き(いいかき)」であろうと書いてある。
関西では、天神橋筋六丁目は「てんろく」、上本町六丁目は「うえろく」、「ポートアイランド」は「ポーアイ」などのように長い単語を短縮する。 短縮して4拍になった言葉のアクセントは2拍目、または4拍目を高く発音することが多い。 高く発音するところを色を変えて書くと、 「てんろく」「うえろく」は「てんろく」「うえろく」、「ポーアイ」は「ポーアイ」である。 3拍の言葉は「マクド」 (マクドナルド。東京では「マック」) のように真ん中を高く発音することが多い。 スターバックスは「スタバ」だが、これを「スタバ」と発音するのか「スタバ」と発音するのか、東京生活の長い私は関西人の発音を直接聞いたことが無いのでわからない。 私は「スタバ」と発音するが、東京弁が感染しているかも。 (東京では「スタバ」が正しいアクセントだと思うが、「スタバ」と発音する人も多い。こちらのほうが関西弁に感染しているのかも。) 関西弁基礎講座の更新が滞っているので、これをネタにすればよかった。。。
いよいよ花粉が飛び出したようで、くしゃみと鼻水が出るので会社の帰りにドラッグストアーに寄ってマスクを買おうとしたところ、棚に「七ふく」が置かれているを見つけた。 「七ふく」とは昔からある便秘薬で、遥か昔に「番頭はんと丁稚どん」というテレビ番組の提供をしていたのが多分この「七ふく」だったと思う。 1/31の「今日の症状」で関西では「七」は「ひち」と言うのが普通だと書いたが、「七ふく」は大阪の製薬会社なので「しちふく」ではなくて「ひちふく」と読むのではないかと思い、検索してみるとURLは「 http://www.hitifuku.co.jp/ 」。 つづりは「 s 」ではなく「 h 」になっている。 関西人から見れば当然といえば当然だが、東京人化の進行した私には、なぜかちょっとうれしく感じる。 便秘には縁が無いので、多分七ふくには一生お世話になることはないと思う。 |