東京弁は感染るんです
Blogにも書いたが、昨日は「さがみはら若手落語選手権」という若手落語家の話芸を競う落語会に行ってきた。 川柳つくし(女性落語家)が「江戸っ子を探せ」という新作落語を演じていた。 亡くなったお爺さんが、孫娘に生粋の江戸っ子を婿にとることが出来れば遺産を相続させると遺言したことからドタバタ劇が展開されるストーリー。 『俺は江戸っ子だから「ひ」と「し」の区別ができねぇって、「ひ」と言ってるじゃないか』などというギャグもあったが、東京の落語家でも生粋の江戸っ子はほとんどいないらしい。 「ひ」と「し」の区別が出来ない江戸っ子は今では珍しいのかも知れないが、「し」と「ひ」が区別できない関西人は珍らしくない。 「七」は「ひち」。「質屋」は「ひちや」。「布団を敷く」は「布団をひく」。 ただし「七輪」は「ひちりん」とは言わない。これは「かんてき」。(『かんてき:関西地方で、七輪のこと』と辞書にも出ている。) 川柳つくしは早稲田の教育学部国語国文科卒らしい。広末涼子が行ってたとこやね。
娘が借りてきた「ジョゼと虎と魚たち」というDVDを見た。 普通の大学生が両足の不自由な少女と知り合い、恋に落ちていくという恋愛映画。 ジョゼと名乗る歩くことが出来ない少女を池脇千鶴が演じているのだが、彼女の関西弁には感動する。(感動するところが違うことは十分承知。) 少女は、祖母によって世間から隠されていて会話の相手は祖母しかいないので、彼女の話す関西弁は祖母が話す言葉と同じ一昔前の関西弁なのだ。 そう私には感じられたのだが、先日神戸に帰ったとき電車の中で聞いた若い女性の会話も一昔前の関西弁のように聞こえたし、妹の話す言葉もやけにコテコテの関西弁に聞こえたのを思い出した。 私の頭の中にある関西弁と、実際に関西で話されている関西弁はどうも違うような気がする。(東京弁感染度が末期症状ということか!?) 池脇千鶴の写真でも載せたいところだが、世の中には肖像権というものがあるので。
Blogにも、去年も一昨年もその前の年も書いたが、コンビニでは早くも節分の丸かぶり寿司の予約受付が始まっている。 ローソンのサイトによると、丸かぶり寿司の認知率は発祥の地である近畿地方で約90%、全国でも75%に達しているらしい。 大阪の海苔問屋が販売促進の為にはじめたいう説や、江戸時代の大阪の花街での風習だったと言う説、巻き寿司を鬼の金棒にたとえてそれをまる齧りすることで鬼を退散させようとしたという説などがあるらしいが、このケッタイな関西の風習を全国の75%の人が知っているということは、コンビニの販売戦略の勝利といえるだろう。 関東では「太巻き」というが、関西では「巻き寿司」といって「何々巻き」とはあまり言わないので、この丸かぶり寿司につけられた「恵方巻き」という名前も、多分これもコンビニが命名したものだと思う。 これはサークルKのチラシ。予約ばでして食べるほどのものなのか!?
関西弁講座第21講にも書いたが、関西では『おめでとう』を丁寧に言うときには『さん』付けにして『おめでとうさん』と言うが、東京では聞かれない言葉である。 『おはようさん』や『ありがとぉさん』も関西ではよく使われる言葉だが、東京では聞かれない。 逆に東京では普通に使われる『お世話様』と言う言葉は関西ではあまり使われないように思う。 そもそも、関西では神仏に対しても「えべっさん」「すみよっさん」のように『さん』付けにはしても『様』付けにすることは少ないので、たかが『お世話』ぐらいでは『様』付けにはしない。 宅配便が届いたときに、東京では『どうもお世話様です』などというが、関西ではこういう場合どのように言っていたか、関西を離れて25年にもなるとすっかり忘れてしまった。 『おめでとうさん』の写真はないので、注連飾りの写真でも載せておきます。980円也。 |