東京弁は感染るんです
白味噌仕立てとすましのように関西と関東では雑煮の作り方が違うのは有名だが、おせち料理も関西と関東では微妙に異なるようだ。
かまぼことか伊達巻とか黒豆とか数の子は全国共通のようだが、東京では正月に酢だこが欠かせないらしい。 この酢だこ、関西ではまず見ることが出来ない毒々しいまでに赤く色付けされた巨大な吸盤を持つミズダコである。 ミズダコといえば子どものころ須磨の水族館で世界一大きなタコとして展示されていたことを思い出す。 赤くて縁起がいいのかもしれないが、明石のタコで育った元神戸人としてはちょっと食べる気がしない。
車のドアで左手の人差し指を詰めてしまい、半日経っても痛みが取れない。
昔、関西の電車のドアには「ゆびづめ注意」のステッカーが貼ってあったが、関西以外の地方では「指をつめる」とはやくざが指を切り落とすことを言うので、この「ゆびづめ注意」のステッカーは「扉にご注意」の表示に変えられたのだという。 電車の場合はドアに指がはさまれないようにというだけでなく、戸袋に指が引き込まれないように注意せよという意味もあるので、「ゆびづめ注意」よりも「扉にご注意」のほうが正しいような気がする。 しかし、今回の負傷は多分明日になれば爪が黒くなるぐらいの重症なので、やはりこの場合は「指をはさんだ」ではなくて「指を詰めた」といったほうが正しいのだ。
私は一応エンジニアの端くれなのだが、会議などに出るとやたら横文字の略語が飛び交って、みんなわかったような顔をして議論しているので、いまさらそれはなんの略かと聞くわけにもいかず、あとでこっそりネットで検索するいうことが最近よくある。
横文字の略語だけでなく、日本語でも関東の略語は暗号のようでよくわからないことが多い。 ブクロ(池袋)とかジョージ(吉祥寺)とか、東京の略語は言葉の前半を省略することが多いように思う。 ハマ線(横浜線)ぐらいなら問題はないが、ガミ線と言われるとなんのことだかわからない。 これは相模線ことで、「サ」を省略しただけなのにたちまち暗号に変身する。 その点関西の略語は、ポーアイ(ポートアイランド)とか、関空(関西空港)とか、アメ村(アメリカ村)とか、真ん中や後半を省略することが多いのでわかりやすい。
今日の朝日新聞の第3社会面に小さく、『なにわの人工衛星 愛称「まいど1号」』という記事が載っていた。
たった10行ぐらいの記事なので詳細はよくわからないが、東大阪市の中小企業グループが3年後に人工衛星の打ち上げを目指していてその愛称が「まいど1号」に決まり、「まいど」の由来が計画のまとめ役である航空機部品メーカーの社長の口癖で、小泉首相もメールマガジンでこの愛称を紹介して成功に期待を寄せている、とだけしか書いていない。 なぜ中小企業のグループが何のために人工衛星を打ち上げようとしているのかとか、初めて打ち上げるのに何故「まいど」なのかとか、どうやって打ち上げるのかとか、全く解らない。 関西では有名な話なのだろうか。それとも単なる関西ネタなのだろうか。 不思議な記事である。
神戸出身の妹尾河童さんは神戸人気質を「おっちょこちょいでいいかげんなところがある」と書いておられるが、私に限ってはまさにその通りだと思う。
地域が同じだからといってみんなが同じような性格をしているというわけではないだろうが、確かにある種の共通した性格、県民性と言うものはあるようだ。 神戸人は、開放的でおおらかで、新しいモノ好きでチャレンジ精神も旺盛で、知的なお坊っちゃんタイプが多いらしい。 神奈川県人は、おおらかで社交性に富むが、なにかとカッコつける傾向が強く、若干ホラ吹きの傾向もあり、視野は広いが仕事より興味や遊びへの浪費が多いそうだ。 神戸系神奈川県人の私は、もうすでに神奈川県人気質の人間になっているようである。 (昔は知的なお坊ちゃんタイプやったんやけどなぁ。。。)
高1の娘との会話の中で「おとつい言うたやろ。。。」と言ったら、生意気にも「何、おとついって。おとといでしょ」と言う。
「あほ。おとといは東京弁やろ。標準語ではおとつい言うねん。覚えとけ」と言うと父親をバカにしたような目で見る。 辞書で調べてみると 『おととい(をと‥ひ) (「おとつい」の変化)きのうの前の日。いっさくじつ。 国語大辞典(新装版)小学館 1988』 とある。 おとついは関西弁かと思っていたのだが、こちらのほうがどうも本家本元らしい。 どうや、参ったかと言ってやろうと思ったが、娘は勉強もしないで遊びに行ってしまってもう家にはいない。 |