東京弁は感染るんです
メロンパンの話題からスイートパンを思い出した。
富士山のような円錐形をしていて、甘くて食べると歯にひっつくパン(というかほとんどお菓子)を東京では甘食と呼ぶようである。甘い食パンという意味だろうか。 昔は2個一組で売られていたような気がするが、最近は10個ぐらい袋詰にされて売られている。 神戸ではこれをスイートパンと言う。文字通り甘いパンであるが、英語ではsweet bunというらしい。 bunというのは小型のロールパンのことだそうである。 この甘食もめったに食べないので、私の頭の中ではこの単語は東京弁に感染していなくスイートパンのままである。
メロンパンのことを神戸ではサンライズと呼ぶという話題が掲示板に出ている。
これは神戸だけで通用するらしく、大阪では言わないそうだ。 たしかに東京でいうメロンパンを子どもの頃にははサンライズと言っていたのだが、そのことをすっかり忘れていた。 神戸でメロンパンというと、オムライスを作るときの型のような形をしていて、外側は東京でいうところのメロンパンを少々軟らかくした感じで、中に白餡がはいっている。この白餡はメロンの香りがして(するような気がして)なんとも美味しかったような記憶がある。 3月30日の「今日の症状」では使わない言葉は変わらないと書いたのだが、あまりにも使わないでいると単語自体を忘れてしまったり別の言葉に置き換わってしまったりすることもあるのだ。
上の娘が酪農をやりたいと言って北海道の大学に進学したので北海道まで行ってきた。
空港を降りてレンターカーを借りるとき、「お車は1500ccでよろしかったですか」と言われ、「よろしかったですか、ってまだ何にも言うてへんねんけど」と思わず言いそうになった。 その後あちこちで「こちらでよろしかったですか」「1万円からでよろしかったですか」「お茶でよろしかったですか」などと言われるのを聞き、これはどうも北海道の方言ではないかと気づいた。 最近東京のコンビニでもたまに「〜よろしかったですか」を聞くことがあるが、これは北海道弁の影響なのだろうか。 関東の若者の間で関西弁が浸透していると言われているが、北海道弁も浸透中なのかも知れない。
私の住んでいる近辺では毎年4月の第1土日に桜祭りが開かれるが、今年は桜祭りの前にすでに葉桜になってしまった。
桜といえば桜餅。この桜餅も関西と関東では形が異なる。 はじめて関東の桜餅を見たとき、ピンクに色づけされた柏餅のできそこないかと思った。 最近では桜の葉の代わりに桜の葉が描かれたフィルムが巻かれているものもあるが、もうこれは最悪である。あの塩味が効いた桜の葉が餡の甘味を引き立てて絶妙な旨さを醸し出しているのに、食えない葉っぱでは意味がない。 関西の桜餅は一見ぼた餅風であるが、あれは道明寺粉という粉を使ったまことに繊細な食べ物なのである。 桜餅も年中食べるものではないので、私の頭の中では桜餅と言う単語は東京弁にはまだ感染しておらず、桜餅=道明寺である。 |