東京弁は感染るんです


関西弁基礎講座 第16講

アクセントのバリエーション


関西弁は共通語とアクセントが違うので、一言聞いただけで関西弁とわかる言葉が多い。
しかし同じ関西弁でも個人差や世代差によってアクセントが違うことがある。

例えば、『地下鉄』 (下線のある文字をクリックすると音がでます。)
てつ」 水色の文字は高く発音する と「」を高く発音する人と「ちかて」と「」を高く発音する人がいるが、どちらの発音でも関西弁として違和感がない。
しかし「かてつ」と「かてつ」を高く発音すると、違和感を感じ関西弁には聞こえない。(東京弁に聞こえる。)
他の例では『テレビ』
共通語では「れび」と発音するが、関西弁では共通語と同じく「れび」と発音する人と「」と発音する人がいる。「」の方がより関西弁らしい発音ではあるが、「れび」と発音しても特に(私は)関西弁として違和感は感じない。
しかし(理由はわからないが)『ラジオ』の場合、「じお」と発音すると(関西弁では「」)関西弁として(私は)違和感を感じてしまう。(東京弁に聞こえる。)

このように単語のアクセントにバリエーションがある例を調べてみた。


関西弁
東京弁
尼崎 あまがさ  あまさき まがさき
カメラ   めら めら
近鉄 きんて  てつ んてつ
サラダ   らだ らだ
新開地 しんかい  しんいち んかいち
消火栓 しょーせん  しょーかせ しょおかせん
大学 いがく  だいがく いがく
タクシー たく  しー  くしー くしー
田中さん かさん  たなかさ なかさん
地下鉄 ちかて  てつ かてつ
テレビ   れび れび
電車 でんしゃ  でんしゃ んしゃ
ナスビ   すび
(*1)    
ねじ回し ねじまわし  ねじわし じまわし
めっちゃ めっちゃ  めっちゃ (東京弁には無い単語)
やつで やつ   つで
レンタカー れんかー  れんたかー んたかー

このほかに、名詞の後ろに助詞の『の』がつくと2種類のアクセントのうちどちらを使っても関西弁として違和感を感じない単語がある。 例えば『雪』
「雪の中を歩く」と言うとき、「きのなをある」と言っても「ゆきのをある」と言っても どちらでもかまわない。
このような例を調べてみた。


関西弁
東京弁
足の爪 しのつめ  あしのつめ しのつめ
池の鯉 けのこ(*1)  いけの けのこ
犬の尻尾 ぬのしっ  いぬのしっ ぬのしっぽ
海の中 のな  うみ みの
駅の売店 きのばいて  えきのばいて きのばいてん
餌の蚯蚓 さのみみ  えさのみみ さのみみず
川の傍 わのそ  かわの わのそ
菊の花 くの  きくのは くのはな
金の卵 んのた  きんの んのた
銀の食器 んのしょっ  ぎんのしょっ んのしょっ
谷の水 にのみず  たにのみず にのみず
肉の炒め物 くのいためもん  にくのいためもん くのいためもの
虹の架け橋 じのかはし  にじのはし じのかけはし
猫の手 このて  ねこの この
墓の掃除 かのそお  はかのそお かのそおじ
昼の休み るのやす  ひるのやす るのやすみ
本の虫 んのむし  ほんのむし んのむ
夢の中 めのな   ゆめの めのな
(*1) 音節内に「さがりめ」(拍内下降)のある単語


これは難しい。
非関西弁圏の人にとっては関西弁のアクセント習得が難問やというのに、さらにこんなバリエーションまであったら混乱しますわねぇ。
実際はその時々によって微妙に使い分けているみたいですが、どちらか一方を覚えれば良いと思います。



関西弁基礎講座INDEXに戻る   サイトマップに戻る   TOPページに戻る