東京弁は感染るんです


関西弁基礎講座 第8講


わらべ歌 その2

関西弁基礎講座で再びわらべ歌を取上げる理由は、関西のわらべ歌のメロディが関西弁のイントネーションそのままに歌われているので、関西弁のアクセントを理解するのに持って来いだからである。
第1講で数をかぞえるときの節について述べたが、こういうのもある。

楽譜をクリックするとMIDIで音が聞こえます。)


メロディは数をかぞえるときの節とほぼ同じであるが、「さる」のところでは「さるぅ」と音節内の「さがりめ」(感染 第0期参照)がちゃんと表現されている。

じゃんけんをするときに歌う歌もある。(多分これは神戸の須磨近辺だけで歌われていたもの
と思われる)

楽譜をクリックするとMIDIで音が聞こえます。)


これにはアクションもついていて、「せっせっせー、からりとせー」の「からりと」でバスケットボールの審判がトラベリングをしたときの合図(多分)のように、両手をまわす(表現力に乏しく、なんと説明したらよいかわからない)。「いし、かみ、はさみー」は普通のグーチョキパーで、「かみなり」で頭の上に両手の人差し指を立てて鬼を表現し、「せんこ」で人差し指を立てて線香を表し、「ぼたもち」で両手でダンゴをまるめる仕草をして、「ホイ」でジャンケンをする。
じゃんけんをするために歌を歌って、振り付けまで付けていたのだから、優雅なものである。

線香のことを「せんこ」というのは関西弁の特徴の一つで、大根のことを「だいこ」などと言う。
何でも短く言うのかというとそうでもなく、東京では「ナス」「カブ」というが、関西では「ナスビ」「カブラ」というのが普通である。

「かみなり」のアクセントは関西弁では「り」を下げて発音するが、歌の中では平板に発音されている。アクセントよりもメロディが優先されていて、なかなか芸が細かい。

こういう歌もある。(これも多分神戸の須磨近辺だけで歌われていた歌のようである)

楽譜をクリックするとMIDIで音が聞こえます。)


最後まで覚えていないというか、途中の歌詞がよく解らない不思議な歌で、考えながら歌うので歌う度に歌詞が変化する。変化するのだが、最後は「何とかのハゲ頭」で終わっていたように思う。( 本当の歌詞を知っている人は教えてください。 → 掲示板 )
煙突は怖いというのは、煙突の上に登ると怖いという意味か。
おばけは青いというのは意味不明である。昔、ダイマル・ラケットの漫才に「青火がぽぉー、ぼやがぱぁー」というのがあったが(関西人でも知る人が少なくなっているかも知れない)、おばけが青いというのはこのことだろうか?


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