東京弁は感染るんです



今日の症状
(2006年5月の症状)

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2006/5/22 四ツ辻

八王子駅北口の街灯に四ツ辻商店街という名前の入ったサッカー日本代表の応援旗がひらめいていた。
八王子駅北口は毎日利用しているが、四ツ辻商店街という商店街があるのは知らなかった。
「四ツ辻」という語感がなんとなく古臭く感じるが、前回前々回今日の症状で取り上げた女子大生からみた老人語辞典では「四ツ辻」ではなく「十字路」が老人語として載っている。

『祖父が「四つ角」を「十字路」と言っていた。確かに、意味は理解できるが、私はこのような言い方はしない。』と女子大生がコメントしているが、解説によると『「十字路」は昭和初期から使われた語。「四つ辻」「四つ角」は江戸時代以来の語。』と書いてある。
やはり「十字路」よりも「四つ辻」のほうが古いようだが、今は「交差点」というのが普通だと思う。




 
ネットで検索しても「四ツ辻商店街」はヒットしない。旗はあるのに商店街がどこにあるのかがわからない。。。







2006/5/14 ドンゴロス

前回に引き続き「女子大生からみた老人語辞典」から、「ドンゴロス」。

例文は
 『孫       「この服いいなあ」
 おばあちゃん 「こんなドンゴロスみたいの、やめとき」』

電車の中でこれを読んでいたとき、母から昔同じようなことを言われたのを思い出して、それがなぜか笑いのツボを刺激してしばらく笑いが止まらなくなってしまった。

ドンゴロスとは解説を引用すると
 『「ドンゴロス」は英語 dungraees で、麻袋。梱包、テント、日除けに使う。滋賀や大阪方言で悪い織物、悪い着物の意で使われる。』

もちろん「ドンゴロスみたいの」とは麻袋のことではなくケッタイな服という意味である。

なお、手元の辞書に「dungraees」は載っていなかったが、「dungaree」 なら載っていて
 『1. ダンガリー,デニム,太織り木綿の一種
  2. 1で作ったズボン[胸当てズボン式の作業衣](米overalls)
    オーバーオール胸当てズボン式の流行服』
と書いてある。ドンゴロスとダンガリーが同じことなのかどうかはわからない。




 
写真は、去年代々木公園で開かれていた「ナマステ・インディア」とインドフェスティバルに行ったとき、インドグッズを買ってもらった袋。この袋の素材がドンゴロス。







2006/5/6 かく(その2)

図書館で「女子大生からみた老人語辞典」という本を見つけた。
おじいちゃん、おばあちゃんと孫の会話(関西弁)で例が示されていてとても面白い。

先月の「今日の症状」で、「かく」は大阪ことば事典に載っていないので大阪弁ではないようだと書いたが、この老人語辞典には「かく」が載っていて、『「かく」は物を肩にのせて運ぶ、すなわち「かつぐ」の意。昔、「かごをかく」と言った「かく」である。平安時代からある語。関西方言では持ち上げて運ぶ意。』と書いてある。

例文が面白く、
 『おじいちゃん「ちょっとかいてくれ」
  孫      「どこを?」
  おじいちゃん「こっち来てくれ」
  孫      「(とりあえず背中をかいてみる)この辺?」
  おじいちゃん「(ちょっと怒って)かいてくれゆうとんのや」』

コメントは例文以上に面白く、
 『その後、おじいちゃんとしばらくむなしいやりとりが続いた後、植木鉢を運ぶのを手伝ってほしいらしいことがわかった。』

光景が目に浮かぶようである。





このおじいちゃん、「かいてくれゆうとんのや」と神戸弁っぽい喋り方なので、やはり「かく」は神戸から西の関西弁なのかも知れない。







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