東京弁は感染るんです
Blogにも書いたが、相模湖周辺には平家の落人伝説があって、京の都を思わせる地名が多い。 湖の東側にある『嵐山』は、相模川の清流と周りの風景が京都の『嵐山』に似ているので、そう名づけられたと言われている。 JR相模湖駅は相模湖ができるまで(相模湖は相模ダムの完成により1947年にできた人造湖)は『与瀬』という駅名だったらしいが、この『与瀬』は京都の『八瀬』からきているらしい。 甲州街道沿いに本陣跡(江戸時代に参勤交代の大名などが休泊した大旅館)が残る『小原(おばら)』は、洛北の大原に、その隣の『千木良』は『千本松原』にちなんだものなのだそうだ。 都からの移住者は都に関係のある地名をつけて、故郷を偲んだのだろう。 府中には『神戸』という地名があるが、これは『ごうど』と読んで『こうべ』とは何の関係もない。 今年も神戸には帰らなかった。。。 府中市宮西町にある「神戸」の石碑。ふりがながあっても「こうべ」と読んでしまう。
子どもの頃は冬になると足の小指が「しもやけ」になって痒かったのを思い出した。 『5〜10度の軽度の低温環境にあって起こる一種の血管麻痺。貧血性、腺病質、多汗症、栄養不足などの者がなりやすく、特に、小児と女性に多い。ゆきやけ。しもばれ。《季・冬》(国語大辞典 小学館 1988.)』 「しもやけ」は小児と女性に多いらしいが、もう「しもやけ」にならないのは大人になったからだろうか、それとも冬が暖かくなったからだろうか。 辞書にも書いてある「しもばれ」という言葉は明治生まれの祖母がよく使っていた。 大阪ことば事典にも載っているので関西の言葉だと思うが、私は使わない。 「しもばれ」という言葉を使う関西人は今では少ないと思うが、こう冬が暖かいと「しもばれ」そのものが絶滅してしまったかも知れない。 「しもやけ」にはならなくても、霜は降りる。フロントガラスは真っ白。やはり朝は寒い。
サントリーの伊右衛門茶のCMで、傘をささずに雪の中を帰ってきた主人の本木雅弘を妻役の宮沢りえが出迎えるシーン。 「あれ、傘はどないしはったん?」 「傘? あっ、あったなぁ」 「ほんまにもう。。。冷たい手ぇ。。。こども」 この「傘はどないしはったん?」のアクセントがちょっと気になる。 「かさは _ ― _ 」のように宮沢りえは「さ」を高く発音しているが、ここは「かさは _ _ ―」のように「さ」を低く発音するのが正しいと思う。 関西では「傘(かさ)」も「雨(あめ)」も単独では二拍目を高く「_ ―」と発音するが、正確に言えば「雨」は「あめぇ (_ ―_)」のように最後が少し下がる。 これを拍内降下というが、最初の音を低く発音する拍内降下のない二拍の単語(傘・海・糸など)と拍内降下のある二拍の単語(雨・春・秋など)では、「〜は」とか「〜が」とか言うときのアクセントが違っていて、傘の場合は「かさは _ _ ―」、雨の場合は「あめは _ ― _ 」と発音するのが正しいと思う。 まぁ、別にどうでもよいことだが。。。 拍内降下については、前にも何度か書いているので暇な方は見てください。 別に宣伝をする筋合いはないが、写真がないと寂しいので。。。
職場は多摩川の近くなので、昼休みには河原まで散歩に行くことがある。 今日も天気が良かったので、河原まで行ってみた。 夏の間は少し動くとバッタがあちこちから飛び出してきたが今はもうバッタはいない。代わり「ひっつき虫」がまとわりついてくる。 多摩川のひっつき虫はアメリカセンダングサだが、子どもの頃に投げて遊んだひっつき虫はオオオナモミで、散歩に行った犬が体によくつけてくるひっつき虫はイノコヅチ。 ひっつき虫と言っても人それぞれ連想する物は違うかもしれない。 「ひっつく」という言葉はどちらかというと関西弁ぽいニュアンスを感じる。 「ひっつく」を辞書で引いてみると『かわいてくっつく。ぴったりとくっつく。』などと載っている。 関西ではあまり「くっつく」とは言わず、私も「くっつく」とは言わないが、「くっつく」という言葉のほうがどうも一般的らしい。 ちなみに「ひっつき虫」をGoogleで検索してみると5050件、「くっつき虫」は768件で、「ひっつき虫」の勝ち。 多摩川のひっつき虫。こいつが靴下などに刺さるとケッコウ痛い。 |