東京弁は感染るんです
夏のスタミナ食といえば鰻。
この鰻、裂き方が関西と関東で異なることは有名である。 江戸は武士の町なので、腹から鰻を切るのは切腹に通じるので背中に包丁を入れるとか、関東では焼いた後に蒸して脂を抜いてからまた焼くとか、関東では鰻をたれの中ににつけるが、関西ではひしゃくでたれをかけるとか、知識としては知っているのだが、私の食べる鰻は主にスーパーで焼きあがったものがパックされているものなので、背割りであろうが腹開きであろうがあまり関係無いのである。 関西風の脂の乗った美味しい鰻が食べたい。
30数年ぶりに開かれた中学のクラス会に行って来た。
中には小学校以来40年近くも会っていない人もいて、それなのにフルネームや何気なく交わした会話なども思い出して、頭のどこにそういうことが記憶されていたのか全く不思議である。 久しぶりに聞く「〜しとー」とか「〜ゆーとー」とかいう生の神戸弁が心地よい。 私は、リハビリが間に合わず「〜しとー」というべきところを「〜してる」とか、「〜やん」というところを破廉恥にも「〜じゃん」と言ってしまう場面があったが、旧友たちに気づかれてしまっただろうか。
関西弁基礎講座番外編で「二四六八十」の数えかたについて書いたら、何人もの方から『にしろはじゅう』ではなくて『にしろはとお』と言うと教えていただいた。
『にしろやとお』という言い方は聞いたことがあるが、八を『はー』と読むのは漢語系の読み方で、和語では『やー』なので、漢語系の『はー』の後にいきなり和語の『とお』が来る数えかたがあるとは思ってもみなかった。 まぁ別にどちらでもいいのだが、最近では電卓やパソコンがなければ計算もできなくなって、数をかぞえる機会もすくなくなってしまった。 (昔々、祖母が『ひーふーみぃよーいつむーななやーここのとぉ』と数えていたのを思い出したが、こんな数えかたをするひとは多分もう日本にはいないのではないかと思う。)
いらつく人とか、せかせかする人、落ち着きがない人のことを関西ではイラチという。
大阪人の性格を現す言葉でもある。 私は大阪人ではないが、かなりイラチなほうであると思う。 まず、並ぶことが苦手である。 美味しいラーメンを食べるために長い列の後ろに並ぶなど考えられない(いらつく)。 エスカレータではじっと立っていられず、駆け上がらないと気がすまない(せかせかする)。 デスクワークの仕事をしているにもかかわらずじっと机に座っていられない(落ち着きがない)。 もう三拍子そろったイラチである。 東京弁が感染しても、このイラチな性格は治らないようである。 |