東京弁は感染るんです
大昔、「てなもんや三度笠」という番組で、藤田まことが「俺がこんなに強いのも、あたりまえだのクラッカー」と言っていたが、「あたりまえだ」というとき「アタリキや」ともよく言っていた。
「アタリキ、しゃりき、ケツの穴、ブリキ」という囃子言葉も小学生のころ(。。。ということは35年以上も前のこと)よく言ったものだが、こういう言葉をいったい誰が考え出したのだろう。神戸・大阪では通じる言葉だと思うが、「あたりまえだのクラッカー」と違い「ケツの穴ブリキ」はテレビ・ラジオを介して広まった言葉ではないはずなので、いったいどのあたりまで使われている言葉なのか、どうやって広まっていったのか、興味は尽きない。
昔はファイルのファにアクセントを置いて発音していたはずなのだが、気がつくと平板に発音している。平板アクセントを使う人は、その道の通というか専門家に多いそうなので「専門家アクセント」と呼ぶらしい(岩波新書:日本語ウォッチング)。私はエレクトロニクス関連の会社に勤めていてはいるが特にその道の通というわけではない。しかし、言われてみれば確かにパネル・ボード・ディレクトリ・シーケンス・フォルダ・リンク・メモリ・セクタ・ディスク・モデム・ルータ等など平板に発音している。昔は「パ^ネル」「ディレ^クトリ」「メ^モリ」と「●^」にアクセントを置いて発音していたのは間違いないが、いつからか平板型になってしまった。いくら関西人といっても、現在では関西人と話す機会がほとんどなく、生きた関西弁に接していない。関西の専門家の方もこれらの単語は平板に発音するのだろうか?
関西弁基礎講座第1講で、関西では子どもが友達を誘うときに節をつけて言うと書いたが、関西以外の方々から、「こっちでも節つけるよ」と言う指摘があった。関西では 「♪あそび^ましょ^」 (●^は高く発音する) のように「び」と「しょ」を高く発音するが、多分、東京式アクセントの地域では 「♪あそ^び^ましょ^」のように「そ」も高く発音するのではないだろうか? まぁ、遊んでくれるんやったら、どっちでもえ〜かぁ!
漫画のポパイでハンバーガーの好きなとぼけたおっさんが登場するので、ハンバーガーという食い物があるのは昔から知っていたが、昔はハンバーガーという食べ物はそれほど一般的ではなかった。私がまだ関西にいた20数年前には、マクドナルドはまだめずらしかった。あっちでもこっちでも普通に見かけるようになったのはこちらに来てからであるので、私は関西人でありながらマクドではなくマックと言ってしまう。「マック言うたらパソコンのことやろ。関西ではマクドやでぇ。マ、ク、ド」と言われても、「マクドってなんか品がない言い方やなぁー。ほんならなにかぁ、ビッグマックはビッグマクド言うんか?、マックシェイクはマクドシェイク言うんかぁ!」と、東京人の肩を持ってしまうのである。
リンクさせてもらっている「関東在住の大阪人のつぶやき」さんのページを見て解ったのだが、関西人は標準語だと思っている言葉で、実際には全国共通語とは言いにくい言葉がある。たとえば、オ^シ^ピ^ン^(関西人はまず画鋲とは言わない),サ^シ(定規、ものさし),キ^ク^ナ^(関東では春菊),ジドーシャガ^ッコー(教習所って言うのが普通),ニ^ク(関西で肉ゆーたら牛やろ普通),ミ^ンチ(東京人はひき肉って言う),ダ^イ^ビ^ン^(ビールのおおびんって言うね。東京人は)。。。等など。わかっちゃーいるけど、つい肉まんって言ってしまう自分がなさけない。。。(豚マンやろ、ブタマン)
相模原の図書館で「大阪ことば辞典」という本を借りてきた。(関西弁で言うと借ってきた)
たしかに昔はよく聞いていた言葉で、まったく忘れていた単語が載っている。
オミー:味噌でつくる雑炊。「お昼はオミーにしとこか」
とか、
チョカ:落ち着きのない人。「もっと落ち着きいな、チョカやな」
とか、
ママコ:メリケン粉などの溶けないで粒になったもの。「よう溶かんとママコになるで」
とか、単語自体を忘れてしまっていた言葉が載っていて懐かしい思いがした。
この手の本を片っ端から読んで、リハビリに励まなければ東京弁感染進行を食い止められな い。。。
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