東京弁は感染るんです
(1年ぶりの更新です(^_^;) )
関西弁基礎講座の第23講は『ウ音便』について。 (今流行りの韓国男優、ウォン・ビンではない。ウ・オンビン。) 『音便』とは、発音上の便宜から単語の一部の音がもとの音とは異なった音に変わる現象で、『ウ音便』とはウ段音の子音の脱落によって、ある音がウになる音便をいう。 この『ウ音便』は関西弁の特徴のひとつで、例えば共通語で「酒に酔って」というところを関西弁では「酒に酔うて」と言うが、この「酔うて」というのが『ウ音便』である。 「酒に酔って」の「酔って」も、元は「酔いて」という言葉が「酔って」になったものだが、これを『促音便』という。 『ウ音便』と『促音便』のほかに、『イ音便』と『撥音便』というのがあって、『イ音便』はイ段音の子音の脱落によってある音がイになる音便で、例えば「書きて」が「書いて」になる現象、『撥音便』とは、ある音が撥音(「ん」と書く「はねる音」)になる音便で、例えば「読みて」が「読んで」になる現象をいう。 関西弁では「買った」を「こうた」(こぉーた)と言うが(これが『ウ音便』)、最近では東京弁と同じように「買った」(これは『促音便』)という人が増えているらしい。 関西方言の社会言語学という本に、動詞と形容詞の『ウ音便』の使用率の比較や地域差や年齢差・性差による音便形の使用率の違いなどの調査が載っていたが、関西弁基礎講座 第23講では、この本を参考にして、私自身の『ウ音便』の使用について調べてみた。 関西方言の社会言語学では、年代による音便形の使用率の違いを大阪の高校1年生119人と中年75人を比較して調査しているが、大阪中年と私( 関東在住25年。自分では認めたくないが、誰が見ても中年の中の中年。)の音便形使用率を比較することで、私自身の東京弁感染具合もわかるように思う。
動詞の音便使用率 (パーセンテージは関西方言の社会言語学の図から読み取った値)
形容詞の音便使用率 (パーセンテージは関西方言の社会言語学の図から読み取った値)
結論:私の場合、動詞では60%は『ウ音便』をかろうじて使っているが、形容詞の場合は全滅。 大阪の高校生も形容詞のほうが共通語形の非音便形になる傾向が高いが、私の場合も大阪の高校生並に若い。。。というわけではなく、大阪の高校生並に東京弁に感染しているということだろう。 |