東京弁は感染るんです


関西弁基礎講座 第18講


語尾を短く言う言葉

関西弁では1音節の単語はすべて2音節で発音されることを「関西弁基礎講座第3講」で紹介したが、これ以外で短い言葉を長く伸ばして発音する例は少ない。

数少ない例として「醤油」がある。(これ以外思いつきません。)
「しょーゆ」と言わずに「しょーゆー」とか「おしょゆー」とか「おしょーゆー」(ゆにアクセントをつける)という関西人は多い。

逆に、いらち(せっかち)な関西人の正確からか長い言葉を短く(語尾を短く)発音する例は数多くある。


発音
使用例
コーヒー こーひ こーひでも飲みにいこか
学校 がっこ がっこのせんせ
先生 せんせ 女のせんせ
勉強 べんきょ べんきょしまっせ (値引きしますよ)
煎餅 せんべ 神戸の土産は瓦せんべ
貧乏 びんぼ びんぼ神
大根 だいこ だいこのたいたん(大根の煮物)
線香 せんこ せんこにひぃつける
蚊取り線香 かとりせんこ かとりせんこ炊いといて
関東煮 かんとだき 冬はかんとだきがうまい季節や
そうだろう そやろ そやろ。言うたとおりやろ
辛抱 しんぼ もーちょっとしんぼせぇ


また関西弁では形容詞の連用形の「く」は普通省略して言う。
例えば、「赤くなる」は「あかなる」と「く」を省略することが多い。
また「赤くて」は「あこーて」とも言う。

「〜くなる」の言い方
「〜くて」の言い方
暑(熱)くなる,暑(熱)くて あつなる あつーて
寒くなる,寒くて さむなる さむーて
冷たくなる,冷たくて つめたなる つめとーて
高くなる,高くて たかなる たこーて
安くなる,安くて やすなる やすーて
低くなる,低くて ひくなる ひくーて
長くなる,長くて ながなる なごーて
短くなる,短くて みじかなる みじこーて
青くなる,青くて あおなる あおーて
苦しくなる,苦しくて くるしなる くるしゅーて
多くなる,多くて おおなる おおーて
少なくなる,少なくて すくのなる すくのーて


このほか、形容詞の前に「ああ」と言う感動詞をつけた場合には語尾の「い」が省略される。
例えば「嬉しい」に「ああ」をつけて「ああ、嬉しい」と言うときは普通「ああ、うれし」のように「い」を発音しない場合が多い。

発音
東京弁
しんどい ああ、しんど ああ、疲れた
寒い ああ、さむ(さぶ) ああ、さむい
きれい ああ、きれ ああ、きれい
きたない ああ、きたな ああ、きたない
面白い ああ、おもしろ(おもろのほうが普通) ああ、おもしろい
からい ああ、から ああ、しょっぱい
臭い ああ、くさ ああ、くさい
怖い ああ、こわ ああ、こわい



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