東京弁は感染るんです


関西弁基礎講座 第9講


関西から全国に広まった言葉

最近のテレビ番組では、関西の芸能人の活躍が著しい。
国会中継などでも関西アクセントで質問する議員をよく目にする。
かつては上方が日本の文化的中心にあったため、現在でも関西弁は東京弁ほどではないにし ろ公的な場でも活躍し、関西弁が社会的にも高い地位にある方言であることは間違い。
普段なにげなく聞く言葉のなかにも関西から全国に広まった言葉がある。
例えば、カボチャ。江戸時代、大阪ではナンキン、江戸ではトーナス、京都ではカボチャと言っていたそうだが、今はカボチャが全国的になっている。
関西弁基礎講座 第9講では、関西から全国に広まった言葉を取上げる。
(参考資料:「上方ことば辞典」 堀井令以知著 東京堂出版)


ことば 意味 語源・用法等
アイコ 互いに同じ状態で勝負がつかないこと 相手をあえて打ち負かさないのが大阪
らしい行き方なのだそうだ
アブレル 仕事にありつけない 「溢れる」の意味から
イチャモン 無理な言掛り 難癖 イチャツク者から イチャツクには「もめ
る、言い争う」の意味あり
ウチアゲ 行事の終わった後のふるまい 「打つ」は興行するの意味 「上げる」は
終わるの意味から
オアイソ 客へのサービス 勘定書 客が勘定書を見ると愛想をつかすところ
から出た語
オコワ 赤飯 御所ことばの強供御(コワクゴ)から
カボチャ 南京瓜 16世紀にカンボジアから伝来したので
カマトト 知らぬふりをする人 見かけはうぶでも人を食っ
たような若い女
江戸時代に上方の花町で言いはじめ、
のちに宝塚歌劇のヅカことばとして全国
に広まった
ガメツイ 欲が深くて抜け目がない 菊地一夫の戯曲「がめつい奴」(昭和34
〜35年)から流行
ケンケン 片足跳び もとは上方のことばで、近畿のほか、豊
橋などでもいうらしい
ジンベ 男性の夏の簡単着 甚兵衛羽織の略 もとは上方で木綿で
作った綿入れの防寒着 
セコイ ずるい 醜悪な 粗悪な 役者・寄席芸人の用語セコからセコは
悪い、醜いこと
タコヤキ メリケン粉を溶き、刻んだ蛸・削り節・揚げ玉など
を入れ、型に流し込み焼いた食品
戦後の大阪で売りだし、全国に広まった
バッテラ 鯖の生鮨 ポルトガル語から
ハマチ 鰤(ブリ)の幼魚 関西では ツバス→ハマチ→メジロ→ブ
リ 東京では ワカシ→イナダ→ワラサ
→ブリ
ビビル 便をもらす ちびる けちけちする 出し渋る ため
らう
偉い人の前でビビッテしもて何も言われ
へんかった
ペケ ばってん だめ ×印 上方ではバッテンとはいわない
マヌケ ぼんやり のろま 天保時代には「大坂にて、まぬけ、江戸
にて、うすのろい」と言われていた
ミゾレ かき氷に透明の砂糖水をかけたもの 雪が解けかけた霙と同じ状態になること
から
ヤヤコシイ 込み入っている 複雑な 判断しにくい 紛らわし
い 怪しい 危ない
上方出身の全国語
ユバ 豆乳を煮て表面にできた薄皮を乾かしたもの 豆腐の上物(うわもの)を豆腐のウワと
いい、ウバと訛った
ヨソウ 容器に入れる 食物を食器に盛る 上方の女性語から全国に広まった


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