東京弁は感染るんです
例えば、大人が子どもにもう夜も遅いから早く寝るようにと促すとき、東京弁では 「もう遅いか
ら早く寝なさい」 と言うが、関西弁では 「もう遅いから早よ寝ぇー」 と言う。語尾を下げずに 「寝ぇー」 と言うと弱い命令表現に、語尾を下げて 「寝ぇ」 と言うと強い表現になる。語尾に 「や」 や 「な」 を付けて、「寝ぇーや」 「寝ぇーな」と言うと少々ソフトな感じがする。「早く寝 ないか」 に相当する言い方は 「早よ寝んかぁー」 である。もっと強く命令するときは、東京弁 と同じように 「寝ろ」 という。さらに強く脅迫的に言うするときには 「寝さらせ」 とも言うこと ができるが、子どもを寝かしつけるときになにも脅迫することはないし、善良な関西人は他人を 脅迫するようなことはしないので、「寝さらせ」 とは言うことはまずない。
「〜しはる」という言い方が関西弁の尊敬語として有名であるが、実はこれは大阪弁であり、神
戸弁では 「〜しはる」 とは言わない。
大阪北部と神戸は同じ攝津地方ではあるが(大阪南部は和泉・東部は河内)、大阪では 「居
る」 と言うのを東京弁と同様に 「いる」 (または 「いてる」) と言うのに対し、神戸では 「お る」 と言う。
したがって、○○さん、いらっしゃいますか? を大阪弁で言うと 「○○さん、いてはります
か?」 となり、神戸弁では 「○○さん、おってですか?」 となる。 「○○さん、おられます か」 という表現は、神戸でも大阪でも使うようである。
「知っておられますか?」 は大阪弁では 「知ってはる?」 神戸弁では 「知っとって?」 と言
う。
ただし、 「置いとって」 は 「置いておられますか」 ではなく置いておけという命令形である。
神戸弁は難しいでぇ。。。(こりゃーもう、基礎講座の範疇超えてるね!))
「そこを通らせてください」と頼むとき、自分が通して欲しいのに、「そこ、通らしたってーな」 と
か 「そこ、通らしたりーな」 と第三者の依頼のような言い方を関西ではよくする。ちょっと喧嘩 でも売ろうかと言うときには 「通らしたれや」 とか 「通らしたらんかい」 とも言うが、これは 自分がどうしても通りたいのであって、他人のために一肌脱ごうとしているのではないのであ る。 |